朝陽がお出迎え!

飛行機はほぼ定刻通り〈6時50分頃)にシドニー空港上空に着いた。もう明るくなっていたので窓際に座っていた私にはシドニー湾を見渡すことが出来た。ハーバーブリッジとオペラハウスが見えたときは、おもわず感激してまだうつらうつらとしていた夫に 『見てみて!オペラハウスとブリッジが見えてるわ!』こどものようにはしゃいだ声を出してしまった。

隣の大きな女の人はいつの間にか冬の格好に変わっていた。そうだった!オーストラリアは冬なのだったっけ!私達は冬服を手荷物の中に入れてこなかったので夏のままでの入国となった。

滑走路に飛行機が滑り込んだときに期せずして朝陽があがってきたではないか!オーストラリア最初の日に最大のお出迎えを受けた私達…。なんかいい旅が出来る予感。

入国審査ゲートは超満員だった。審査員がゆっくりとチェックしているのでますます時間がかかるらしい。夫いわく「外国はみんなこんなものだよ。成田は早いほうだ」とのこと。やっと私達の番が来た。なにやら英語でいわれた。手荷物の中身を見せなさい!と言っているらしい。どうも何か怪しいものが有るらしいと機械がチェックしたのだ。何も怪しいものを持った記憶がない私達は不安になりながらも手荷物を開けた。係員の手が伸びた先には成田で買ったおみやげのなま八つ橋と飛行機の中で食べようと思っていたさきいかと咽喉飴と南アルプスの天然水があった。これはなんだと係員が英語で聞く、夫がたどたどしい英語でさきいかと答える、係員は鼻でくんくん臭いをかく、女性係員を呼んで何か相談をしている。夫にいろいろ質問していたが10分ぐらいの尋問でやっと開放された。

国によって事情は違うが、オーストラリアは食料品は持ち込んではだめなんだなと痛いほど思い知らされた。

キャンベラ行きのカンタス航空乗り場までたどり着くのにまたまたトラブル発生!バスに乗るようにいわれたのだが、夫はそのバスに乗ったらたの飛行機に乗ってしまうと勘違いしたらしい。まだ2時間もあるのにこんなに早くバスに乗るはずがないと思ったらしい。通じない英語でシツコク質問をしていたがあきらめてバスに乗って移動した。

後で判ったことなのだが、国内線の発着場にはバスで移動し、そこで始めてそれぞれの行き先に分かれる…なんだ簡単なことではないか!英語が通じればねえ。

国内線の待ちあい場で「そうだ、慎に電話しよう!、迎えに来てないと困るからね。」お店でテレホンカードを買って早速公衆電話でトライ…ん?カードが入っていかない!なんどやってもだめ!二人でああだこうだともめていると、ちょうど隣の電話を電話会社の人が調整しているではないか。渡りに船とはこういうこと!またまた夫の通じない英語でお願いしてみた。なんとか通じたみたいで、教えてくれたのはこの国ではテレホンカードを直接差し込むのではなくカードに印刷されている番号を電話局の方に登録して、完了したらカードの金額分だけ通話が出来るという仕組みだそうだ。早速やってみたが通じない?電話会社の彼がやってくれたがやはり通じない。揚げ句の果てに番号が違うのでは?と言い残して見捨てられてしまった。そこで夫とオーストラリア最初のこぜりあい…ああ。後で息子に聞いたら彼の携帯電話は故障中だったらしい。まったくもう!

カンタス機はJAL よりも小型で窮屈だったが、またまた窓際だったので約1時間の空旅も苦にはならなかった。高度1万メートルからみるオーストラリア大陸の雄大なこと!雲の間から見える大地にすっかり見せられてしまった。たった1時間なのに、またおやつがでて、もったいながる日本人の性ですっかりたいらげてしまいおなかのきついこと…キャンベラに着いたら1番先に行くのはトイレだわ!

キャンベラ空港の到着ロビーで待っていたのは髪ぼうぼうのヒッピー…とおもいきや我がむすこの変わり果てた姿…再会を喜んで居る暇ももどかしく私は有る場所に急いだのであった。